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「こだわりが強い?同じことを繰り返すお子さん」~その行動の理由と、やさしい関わり方~

「同じ遊びばかりしていたり、急にぐるぐる回ったり…まわりの声が届かないことが増えて心配です」
そんなご相談が届きました。

お子さんが繰り返し同じ行動をする姿に、心配になったことはありませんか?
例えば、手をひらひらさせる、順番に物を並べる、特定の言葉を何度もつぶやく…といった行動は、一見意味がないように見えても、その子にとって大切な理由があることが多いのです。

「こだわり行動」は心の安定剤かもしれない

こうした繰り返しの行動や強いこだわりは、「癖」とは少し違います。
多くの場合、それは気持ちを落ち着けたり、不安を和らげたりするための“自分なりの方法”なのです。

特に、退屈を感じているとき、困っているとき、緊張や不安を抱えているときなど、心の中を整理したい場面でこだわり行動が表れやすくなります。
ですが、それが強く出すぎると、周囲と関わるきっかけが少なくなってしまったり、遊びや日常生活に支障が出ることも。

そういった場合には、「無理にやめさせる」のではなく、「別の方法でも安心できるように導いていく」ことがポイントになります。


やさしく受けとめながら、行動をそらしていく工夫を

お子さんの行動には必ず理由があります。
繰り返しの行動を制限するのではなく、まずはその背景を理解し、「他にも楽しいことがあるよ」と伝えられる関わり方を心がけましょう。

こんな対応が効果的です:

  • 次にやることをわかりやすく伝える
     → 「○○のあとは△△だよ」と順番を見せるだけでも、安心感が生まれます。
  • こだわりが強く出る環境を整える
     → 夢中になってしまうものは手の届かない場所に置く、出す時間を決めるなども有効です。
  • 安心できる活動を日常に取り入れる
     → 揺れる・包まれる・回るなどの感覚刺激を含んだ遊び(例:シーツにくるんでゆらゆら、回転椅子で遊ぶなど)は、気持ちの安定につながります。
  • 不安を引き起こすきっかけを探る
     → 環境音、人の多さ、初めての場所など、お子さんが緊張しやすい要因を知ることが大切です。
  • 「してもいい時・だめな時」を分けて伝える
     → 行動そのものを否定するのではなく、「今はOK」「今はやめようね」と場面を区切ってあげましょう。

「好きなこと」をきっかけに世界を広げていく

こだわりが強く出ているときは、視野がぐっと狭くなっていることがあります。
だからこそ、今好きなことを出発点にして、少しずつ興味を広げていくのが効果的です。

たとえば…

  • 数字や並びが好き → カレンダー遊び・お店屋さんごっこ・手順のある工作へ
  • 音に反応しやすい → 楽器遊び・音の出る絵本・アナウンスごっこへ
  • 同じ言葉を繰り返す → ことば遊び・かるた・セリフ劇ごっこへ

「こだわりを減らす」のではなく、「こだわりの外にも楽しいことがある」経験を少しずつ増やしていくことで、自然と行動のバリエーションが広がっていきます。


行動の「意味」を観察して、関わりのヒントに

お子さんの行動の中には、ことばには表れないさまざまなサインが含まれています。
その行動が**「どんな場面で起きて」「そのあとにどんな結果が得られているか」を丁寧に観察することで、行動がどうして続いているのか、そしてどこに働きかければよいか**が見えてきます。

これは「応用行動分析(ABA)」の基本的な考え方で、行動を“理由のあるもの”として捉え、観察可能な行動とその前後の環境から関わり方を考える方法です。
むやみに制限するのではなく、行動の背景にある「意図された結果」や「満たされているニーズ」を理解することが、より良いサポートへの第一歩になります。


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