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発達障害(ADHD、自閉症、学習障害)の診察費用はどれくらい?

更新日 2021.10.1 療育・治療

お子さんが発達障害かも…と心配されている方も多いのではないでしょうか?発達障害の診断のためには、専門の医療機関を受診する必要があります。実際に受診すると、どのくらいの費用がかかるのか疑問に思う方も少なくないでしょう。

お子さんが発達障害と診断された場合、その治療は原則として保険診療となります。医療機関によっては、別途費用が発生するケースもありますが、子ども(小児)医療費助成制度などで費用負担が軽減する場合もあります。

この記事では、受診費用について解説するとともに、知っておくべき保険制度などについても詳しく解説していきます。

1章 発達障害の受診費用はどのくらいかかるの? 

発達障害の診断は小児科や児童精神科、小児神経科で受けることができます。気になる費用ですが、基本的には医師の診察料やリハビリテーション料がかかります。また、診療内容によっても費用は変わってくるため、具体的な金額についてはここでは触れません。

診療は原則、保険診療になります。そのため、お子さんが受診する場合は、お住まいの自治体の子ども(小児)医療費助成制度が適応されるため、基本の負担額はそこまで大きなものではないでしょう。

しかし病院によっては、保険適応外でかかる費用がいくつかあります。

予約診療を行っている場合、予約料が必要になる病院もあります。他にも、事前相談を行ったりセカンドオピニオンを受けたりする場合、自費になるケースが少なくありません。診断書や発達評価書などの文書作成

を依頼する場合も、別途費用が発生することがあります。

発達障害で初めて病院を受診するときは、別途費用がかかることを想定し、少し多めにお金を用意しておくと安心でしょう。

2章 知っておきたい保険制度や費用について 

発達障害と診断された場合、自治体に申請すると受けられるサービスや支援はたくさんあります。ここでは、日常生活のサポートや医療費の助成、各種料金の割引・減免など、知っておくと役立つ制度の内容やメリット、申請方法などをまとめました。

1. 子ども(小児)医療費助成制度

子ども医療費助成制度は、お子さんの保険診療でかかった医療費の自己負担額を各自治体が助成してくれる制度です。この制度は、発達障害の有無に関係なく、全ての都道府県及び市区町村が子どもに対して行っている制度で、医療費にかかる保護者の負担を軽減することを目的としています。

医療機関や調剤薬局でかかった保険診療分の自己負担額の助成が受けられるため、経済面での不安がある方はぜひ活用しましょう。

子ども医療費助成制度を利用するためには、申請手続きを行い、受給券などの交付を受ける必要があります。対象年齢や助成内容などは各地域で異なるため、お住まいの自治体のホームページをご確認ください。

2. 自立支援医療制度

自立支援医療制度は、心身障害のある方に対して医療費の自己負担額を軽減し、治療に専念してもらうことを目的とした公的な制度です。対象者には、知的障害や心理的発達の障害も含まれています。

制度の対象となる医療の範囲は、入院しないで行われる医療(外来・外来での投薬・デイケア・訪問看護)などです。

医療費の自己負担は、一般成人の方であれば公的医療保険で3割負担しているところが1割に軽減されます。受給するための申請は、お住まいの自治体の担当窓口で行います。申請する際には、主治医に自立支援医療の適用になるかどうか聞いてみましょう。

3. 精神障害者保健福祉手帳

精神障害者保健手帳は、精神疾患のある方に公布される障害者手帳のひとつです。対象者は、長期にわたり日常生活や社会生活に制約がある方です。精神障害には自閉症、学習障害、ADHD(注意欠陥多動性障害)、てんかんなども含まれています。

精神障害者保健手帳の等級は1級から3級まであります。

  • 1級:精神障害で、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの
  • 2級:精神障害で、日常生活が著しい制限を受けるか、日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
  • 3級:精神障害で、日常生活もしくは社会生活が制限を受けるか、日常生活もしくは社会生活に制限を加えることを必要とする程度のもの

精神障害者保健手帳を持っていることで受けられる主なサービスは、次のとおりです。

<全国一律に行われているサービス>

  • 公共料金等の割引
  • NHK受信料の減免
  • 税金の控除・減免
  • 所得税、住民税の控除
  • 相続税の控除
  • 自動車税・自動車取得税の軽減(手帳1級の方)

<地域・事業者によって行われていることがあるサービス>

  • 公共料金等の割引
  • 鉄道、バス、タクシー等の運賃割引
  • 携帯電話料金の割引
  • 上下水道料金の割引
  • 心身障害者医療費助成
  • 公共施設の入場料等の割引

4.療育手帳

療育手帳は、児童相談所などで知的障害があると判定された方に公布される手帳です。子どもの頃に取得する人が多く、経済的なサポートや相談支援が受けやすくなるといったメリットがあります。

療育手帳制度は、各地自体が運用方法を定めています。そのため名称も、東京では「愛の手帳」、青森では「愛護手帳」など地域によって異なります。

また、取得できる基準も自治体によって異なります。例えば、東京都の「愛の手帳」の対象者は次のようになっています。

  • 発達期(18歳未満)に何らかの原因により知的機能の障害がおこり、そのために日常生活に相当な不自由を生じ、福祉的配慮を必要としている方

愛の手帳の判定は、家族や保護者からのヒアリング、本人との面接、知能検査などから総合的に行われます。療育手帳を取得することで、外出支援や日常生活のサポートが受けられます。バスや電車、映画などの料金割引、税金の優遇措置、手当てが支給されるケースもあります。

まずは無料で相談できる地域の専門機関へ

お子さんが発達障害かもと思ったとき、すぐに受診すべきかどうか迷われる方も多いと思います。受診にかかる費用のことはもちろん、気持ちの面でも不安に駆られることと思います。

そんなときはまず、無料で相談できる専門機関へ問い合わせてみてはいかがでしょうか。

無料で相談できる機関には、自治体が開いている窓口や民間がやっているところなどさまざまです。家から近いところ、チャットやウェブからの相談が可能など、それぞれに特徴があるため、相談しやすいところに連絡をしてみましょう。

また、今回ご紹介したような制度をしっかり活用することも大切です。わからないことは相談機関に聞いてみてください。あなたの味方は想像以上に多いはず。お子さんのために、第一歩を踏み出してみてくださいね。

<参考文献>

厚生労働省「自立支援医療(精神通院医療)について」

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/jiritsu/gaiyo.html

厚生労働省「みんなのメンタルヘルス」

https://www.mhlw.go.jp/kokoro/support/certificate.html

東京都心身障害者福祉センター

https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shinsho/faq/techo_qa/hantei.html

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