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発達障害(ADHD、自閉症、学習障害)-受診するのは精神科?小児科?

更新日 2021.10.22 診断

発達障害の症状や困りごとは、十人十色。発達障害は見た目からは分かりにくく、保育園や幼稚園、小学校に入学してから気づくケースも少なくありません。

発達障害は、そのほとんどが先天的な要因によるものですが、専門機関に相談しないまま放置しておくと「わがまま」や「困った子」などと捉えられて、誤解を受ける場合もあります。お子さんの特性に気づいたら、早めに受診して周囲の支援を得られる環境作りをすることが大切です。しかし、受診するといっても、何科を受診すればいいのか分からない方も多いでしょう。

この記事では、子どもが発達障害かも?と思ったとき、まず何科を受診すればよいのか、また、実際に受ける検査の流れなどについて解説していきます。

精神科?小児科?発達障害の診療科は

お子さんの発達が気になった場合、どの診療科を受診すればよいのか悩まれる方も少なくありません。お子さんの年齢や症状、内容にもよりますが、基本的には小児科や児童精神科、小児神経科などを受診するとよいでしょう。大学病院や総合病院などを受診する場合は、かかりつけ医に事前に相談しておくと受診がスムーズとなります。

お住まいの地域によって医療機関の数や規模はさまざまですが、現在はネット上で地域の医療機関を検索することができます。

例えば、日本小児神経学会ではホームページに、小児神経専門医や発達障害の診療医師の登録名簿を公開しています。それらを利用して受診する医療機関を選ぶこともおすすめです。

(日本小児神経学会 https://www.childneuro.jp/

はじめての診察から診断までの流れ 

医療機関や医師を選ぶときは、対応できる発達障害の項目、診断の方法などをチェックしておき、子どもが落ち着いて受診できるかという点も考慮しながら選ぶとよいでしょう。

近年は発達検査を受けられる医療機関も多くなっていますが、評判の良い医師の場合は予約待ちも発生しています。そのため、余裕を持って受診の準備をしておくと安心でしょう。

検査のポイント

発達障害の診断は、国際的な診断基準であるアメリカ精神医学会の「DSM-5」やWHOの「ICD-10」を用いて行われることが多いです。

検査では、お子さんの症状について問診や行動観察を行い、それぞれの特定に併せて心理検査や発達検査などが実施されます。

医師は、さまざまな検査結果や国際的な診断基準をみながら、お子さんが日常生活や社会生活などにおいて著しい不適応を起こしていないかどうか、総合的に検討して診断します。

発達障害はその原因が明確になっていないため、診断方法が確立されているわけではありません。そのため発達障害の症状によっては一度だけではなく、数度に渡って検査や経過をみながら診断に至る場合もあります。

発達障害の診断においては限られた時間の中で、子どもについて伝えたいことをすべて伝える必要があります。医療機関を訪れる際には、困りごとや話したい内容をメモにするなど事前に準備しておくと、医師とのやり取りがスムーズに行えるでしょう。

面接・行動観察

一般的に診断では、お子さんや保護者、関係者からの聞き取り(ヒアリング)が行われます。

そこでは、現在の困りごとや生育歴、出産時の状況や病歴、言葉の発達などが聞かれるケースが多いです。

保育園や幼稚園、小学校に通っている場合は、家以外での様子も聞かれることもあるため、受診前に先生や関係者に話を聞いておくとよいでしょう。

発達障害が疑われる場合、症状によってはスクリーニング検査が行われます。これには、面接形式での検査や、お子さんに課題を実施してもらう個別式の検査などがあります。

また、スクリーニング検査以外にも、お子さんの知的な発達や全般的な発達の遅れがないかを検討するために、知能検査や発達検査を行うこともあります。

お子さんの発達障害が疑われる場合、重要になるのが日頃の行動です。短時間で行われた診断だけで行動を見極めることは難しいです。医師はさまざまな検査の情報をもとに検討し、最終的な診断を下しますが、診断後も疑問や不安があれば、遠慮せず足を運び、医師に相談するようにしましょう。

診断することのメリット

発達障害の診断を受けると、診断名や医師の所見を記した診断書をもらうことができます。この診断書は、公的文書である療育手帳や障害者手帳を申請するときに必要になります。

診断書を提出して申請が通れば、さまざまな公的サービスを利用することができます。

具体的には、税金の優遇措置、医療費の助成、公共料金・電話料金などの割引、公共交通機関・公共施設・映画館などの無料化・割引などのサービスが受けられます。

また、正式に発達障害と診断されることで周囲の関わり方が変わり、二次障害の予防にもつながるでしょう。二次障害とは、先天性の発達障害とは異なり、乳幼児時期や就学後に周囲から受けるストレスなどが引き金となって生じる障害のことです。

発達障害の二次障害には、不安障害や睡眠障害、頭痛、腹痛などがあります。発達障害と診断されることで、お子さんの特性に早く気づくことができるため、ストレスを感じにくい生活習慣や環境を整えるなどができ、結果的に二次的な障害を最小限にとどめるができるのです。

このように、診断を受けることによるメリットは、社会的なサポートはもちろんですが、子どもの精神面での安定など多々あると考えられます。

探すことから始めてみてはいかがでしょうか?

子どもが発達障害かも…と思ったとき、親としてはさまざまな不安に駆られるでしょう。でも、不安に思っているだけでは何も解決しないので、勇気を出して一歩前へ進んでみませんか?

障害でいちばん困っているのは、当事者であるお子さん自身です。病院を受診することは、お子さんを守ることにもつながるため→病院を受診し正しい判断を得ることは、お子様への適切な関わり方や対処法を知る機会にもなり、二次障害を防ぐこともできるため、まずは家の近くに発達障害をみてくれる病院があるかどうか、探すことから始めてみてはいかがでしょうか?

また発達障害は、きちんと診断を受けることによるメリットもたくさんあります。早期に診断をしてもらう方が、子どもと親、双方の負担を軽減できるのではないでしょうか。

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