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発達障害(ADHD、自閉症、学習障害)の知能検査や診断とは? 

更新日 2021.6.4 診断

知能検査とは? 

発達障害(ADHD、自閉症、学習障害)の知能検査は、医師や心理士による心理検査や発達検査、知能検査などに基づき行われます。必要に応じて脳波や血液検査などの医学的検査も行われます。

この記事では、発達障害で用いられる、おもな知能検査を紹介します。ただし、これらの検査のみで発達障害の診断ができるわけではありません。検査結果などの情報を総合的に検討し、最終的な診断は、医師(医療機関)が行います。

おもな発達検査の種類や特徴 

発達障害の検査では、お子さんや保護者、関係者からの聞き取りや、お子さんの行動観察などが行われます。また、発達障害のリスクなどを検討するスクリーニング検査もあります。お子さんの特性によって検査方法もさまざまです。一般的に広く知られている発達検査には、「WISC-Ⅳ知能検査」や「田中ビネー知能検査Ⅴ(ファイブ)」があります。

●WISC-Ⅳ知能検査

知能検査として多く用いられるのが、WISC-Ⅳと呼ばれる検査です。この検査の対象は5歳から16歳11ヵ月までとなります。WISC検査では「言語理解」「知覚推理」「処理速度」「ワーキングメモリー」といった4つの指標とIQ(知能指数)を数値化します。検査の目的は、お子さんの「得意な部分と苦手な部分」から「その子にとってより良い支援の手がかりを得る」ことです。知的な発達や能力をはかる検査です。いわゆる学力検査とは異なります。

●田中ビネー知能検査Ⅴ(ファイブ)

日本で使われている知能検査で有名なのが田中ビネー知能検査Ⅴです。この検査は、お子さんの発達状態や障害があるかどうかの判断材料として用いられ、精神年齢やIQ(知能指数)、知能偏差値などによって測定されます。田中ビネー知能検査Ⅴの特徴は、広範囲の総合検査が行えることです。検査対象は2歳から成人と幅広く、問題が年齢尺度により構成されています。そのため、通常の発達レベルと比較することが容易になっています。また、検査の実施手順が簡単なため、被検査者にとって精神的、身体的負担がかからないことも大きな特徴です。田中ビネー知能検査Ⅴには、就学する5〜6歳の年齢を対象とした「就学児版田中ビネー知能検査V」があります。就学に関して、特別な配慮が必要かどうかの診断に特化した検査です。

1.自閉スペクトラム症の検査

自閉スペクトラム症(自閉症スペクトラム障害)の検査には、面接形式や個別式があります。自閉スペクトラム症評定尺度テキスト改訂版(PARS-TR)は面接形式、ADOS-2は個別式の検査でお子さんに課題を実施してもらう検査です。

●自閉スペクトラム症評定尺度テキスト改訂版(PARS-TR)

自閉スペクトラム症(ASD)の発達や行動症状を把握するため、養育者である母親に面接し、その存否と程度を評定します。検査は57 項目です。

●ADOS-2 

世界的に用いられている発達障害(自閉スペクトラム症)に特化した検査です。発達障害の特性について、コミュニケーション、行動の特徴、想像力(イマジネーション)などを評価します。

2.ADHD(注意欠陥・多動性障害)の検査

ADHD(注意欠陥・多動性障害)のお子さんは、落ち着きがなく常に体を動かしたり、衝動的で急にしゃべり出したりするなどの特徴があります。ADHDの診断では丁寧な問診が行われます。その上で、保護者向け、またはお子さん用の質問紙を用いた行動評価に基づいて検査が行われます。また、脳機能評価のための脳波検査や、知能検査などを含む心理検査や血液検査、頭部画像検査などが状況に応じて行われる場合があります。

3. 学習障害のチェックポイント

学習障害(限局性学習症、LD)は、全般的な知能発達に遅れがないものの、読み書き能力や計算力などの算数機能に著しい困難を示す発達障害のひとつです。学習障害はおもに、識字障害(ディスレクシア)、書字障害(ディスグラフィア)、算数障害(ディスカリキュリア)という3つの種類に分けられます。発達性ディスレクシアは、小児期に生じる特異的な読み書き障害です。その定義は「知的な遅れや視聴覚障害がなく充分な教育歴と本人の努力が見られるにもかかわらず、知的能力から期待される読字能力を獲得することに困難がある状態」とされています。

発達性ディスレクシアの診断は、標準化された読字・書字検査に基づいて行われることになっています。簡単な診断の流れは次のとおりです。

知的機能評価を行います。評価では標準化された知能検査が用いられます。知能指数(IQ)が知的障害のレベルにないことを確認します。
ひらがな音読検査を行います。その流暢性や正確性を確認します。
読みを支える側面について音韻認識機能の検査(しりとり、単語逆唱、非語の復唱)、視覚認知機能の検査、言葉の記銘力検査などを行う場合もあります。


保育や教育の現場で、自閉症やADHD(注意欠陥・多動性障害)という用語は広く知られるようになってきました。早期発見や早期支援は重要ですが、発達障害の特徴のいくつかは、時間をかけて診察しなければ診断を下すことが難しい場合があります。一人として同じではないお子さんを知る大切な機会です。基準を満たして作られた信頼できる発達検査を受けましょう。

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