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アスペルガーってなんだろう?~知っておきたい3つのポイント

更新日 2021.8.2 発達障害とは

学校の成績は良いのに社交性がなくコミュニケーションがとれない、こだわりが強く周りから変わり者と思われている…、こうした方を表現する言葉に「アスペルガー症候群」があります。

実は、アスペルガー症候群という診断名は2013年以降、「自閉スペクトラム症(ASD)」という名称に統一されました。そのため現在は、正式な診断名として「アスペルガー症候群」は使われていません。

しかし現在も「アスペ」や「アスペルガー」という名称は広く浸透しています。

この記事では、一般的に知られているアスペルガー症候群について、その特徴や知っておきたいポイント、診断基準から療育における効果まで幅広く紹介していきます。

1 アスペルガー症候群(ASD)とは?

アスペルガー症候群は発達障害のひとつです。

冒頭でお話したとおり、「コミュニケーションが苦手」「こだわりが強い」「日常生活のパターン化」といった3つの特性がみられます。また、女の子より男の子に多いという特徴もあります。

発達障害は、親の育て方が原因ではなく、先天的に感情や認知といった部分に関係する脳の一部の機能に障害があることが原因だと考えられています。

子どもは、小学校に入ると友だちとのコミュニケーションがどんどん活発になっていきますが、アスペルガー症候群のお子さんは、相手の気持ちを理解することや場の空気を読むことが苦手なため、周囲から浮いた存在になりがちです。

お子さんがこういった状況にならないよう、いちはやく特徴に気づき、必要な療育などを行っていく必要があります。しかし、どういったものがアスペルガー症候群に該当するのか、わからない方もいらっしゃると思います。

次からは、アスペルガー症候群かも?と思われる特徴や実際に診断されるときの基準、療育を受けたときの効果の3つのポイントについてひとつずつ解説していきます。

2 知っておきたい3つのポイント

2-1 日常生活でみられる主な特徴

・コミュニケーションが苦手

アスペルガー症候群のお子さんは、周囲の人との交流が苦手です。日常生活でみられる特徴には「人と目と目を合わせるのが苦手」「名前を呼ばれても反応をしない」「マイペースな行動が目立つ」などがあります。

また、コミュニケーション障害の特徴には「言われた言葉をそのままオウム返しする」「相手の気持ちを表情などから読み取ることができない」「話を聞いても理解が難しい」「自分の興味のある話を一方的にしてしまう」「冗談やあいまいな表現が理解できない」などが挙げられます。

・こだわりが強い

アスペルガー症候群のお子さんは、特定の物事に関して強い興味やこだわりを持つ傾向があります。そして、一度興味を持つと時間を忘れてとことんのめり込むことも。ただし、興味がないことには全く反応を示さず、なかなか実行することができないといったこともあるようです。

このように、好きなことや興味のあることには集中してのめり込むため、大人顔負けの豊富な知識を持つお子さんもいます。そのため、会話が成り立たない、年齢のわりに大人びた話し方や丁寧な話し方をする、難しい言葉や漢字表現などを使うといった傾向もあります。

・日常生活のパターン化

アスペルガー症候群のお子さんは、日常生活がパターン化しやすい傾向もみられます。自分の決めたルールにこだわりやすく、毎日の決まった行動や順序にこだわる特徴があるのです。

このようなこだわりから、いつもと違うパターンや予定の変更を非常に嫌がります。

例えば、夕食と入浴の時間がいつもと逆になると不穏になることもあり、活動の切り替えが苦手です。予期せぬことが起こるとパニックになりやすい傾向もあります。

2-2 診断基準

アスペルガー症候群は、専門家による問診や心理検査などを通して診断されます。

診断は主に、①言語や認知的発達において臨床的に明らかな全般的な遅延、②相互的な社会関係の質的障害と行動、関心、活動の限局的で反復的常同的なパターン、の組合せにもとづいて行われます。

アスペルガー症候群は、前述のとおり男の子に多くみられます。

一般的に自閉症のお子さんと比べると知能も良好で、言語能力も十分にあるケースが多いです。しかし自閉症の中核症状である対人関係の困難さ、こだわり行動、言葉の使い方の間違いなどがみられる傾向があります。

2-3 療育による効果

アスペルガー症候群のお子さんは、本人が無自覚なまま問題行動をとる場合が多いです。そのため、他人から見てまずいと思われる言動に対して、適切に軌道修正してくれる存在が必要です。

療育では、子どもの問題行動を改善するトレーニングや、人とのコミュニケーションが上手にとれるようなトレーニングなどを行います。これらの療育を受けることよって、お子さんがさまざまな苦手を克服し、症状の改善が期待できることがわかっています。

アスペルガー症候群など発達障害のあるお子さんは、周囲の環境を整えることで必要な行動レパートリーを増やすことが可能です。また悪い行動に注目するのではなく、良い行動を増やすこともお子さんの生活には重要でしょう。

まとめ 特性を理解して子どもを支援しよう 

アスペルガー症候群のお子さんは、無自覚なまま周囲から「変わり者」とレッテルをはられて敬遠されることも少なくありません。また、周囲と孤立する理由がわからないために、お子さんがストレスを抱えてしまうケースもあります。

そんなアスペルガー症候群のお子さんには、自分のことを理解してサポートしてくれる大人の存在が何より大切です。そして、アスペルガー症候群と正式に診断されたら療育を受ける判断をすることも必要でしょう。

この療育を通して、親自身が発達障害に対する正しい知識と支援を得ることは、お子さんの症状改善にもつながります。

お子さんの言動が気になる方は、まずは一度専門家に相談してみてはいかがでしょうか。

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