ADDS×クリアソン新宿「だれもが主役になれるスタジアム」に向けて
特定非営利活動法人ADDSは、パートナーシップを締結している「クリアソン新宿」と連携し、国立競技場で開催された開幕戦において、感覚特性に配慮した「センサリールーム」の運営、および自閉症疑似体験プログラムを含む「ユニバーサルスタジアムツアー」を実施いたしました。
誰もが全力でスポーツを楽しみ、主役になれるインクルーシブなスタジアムの実現。その一歩となった当日の様子をご報告します。
1. センサリールームの企画・運営:専門知見を形に
スタジアム特有の大音量や歓声、人混みは、感覚過敏などの特性を持つお子様やそのご家族にとって、観戦の大きなハードルとなることがあります。 今回は、国立競技場内に専用の「センサリールーム」を設置。ADDSがこれまで培ってきた発達支援の専門的知見を活かし、以下の工夫を凝らしました。
- 環境調整の工夫: ヨギボーやスヌーズレン(穏やかな光)を用いた「リラックスエリア」と、身体を動かして発散できる「アクティブエリア」をゾーニング。
- 視覚支援ツールの導入: 選手の顔写真ボードやルール解説ボードを用意し、見通しを持って観戦を楽しめるよう配慮。
- 専門知見をもちいたサポート体制: ADDSのスタッフやボランティアが寄り添い、お子様の状況に合わせた関わりを行いました。
【利用者の声】
「以前は刺激でパニックになったが、最後まで安心して楽しめた」 「専門知識に基づいた配慮があり、親も安心して観戦に集中できた」 などのお声をいただきました。利用者アンケートでは、満足度100%という大変嬉しい評価をいただきました。
【利用人数】
3組のご家族(お子様3名、保護者5名)、成人の当事者5名、合計13名が利用。
感覚過敏や発達特性を持つお子様とそのご家族と、聴覚過敏などの特性を持ちながら、就労⽀援を受けている成⼈の当事者が、周囲を気にせず落ち着いて観戦できる専用スペースを提供しました。
<センサリールームの様子>

<センサリールーム利用者のご様子>

2. 次世代を担う学生との共にセンサリールームを創り上げました!
今回の大きな特徴の一つは、「未来の支援者・理解者である学生たち」が主体となり、このプロジェクトを作り上げたことです。
- 事前学習と準備: センサリールームで使用する視覚支援ツール(ルール解説や選手紹介)の制作には、学生たちが主体的に携わりました。「どうすれば伝わりやすいか」を専門スタッフと共に検討し、当事者の視点に立ったツールを形にしました。
- 現場での実践的支援: 当日は、ADDSでトレーニングを積んだ学生ボランティアが、センサリールーム内での個別サポートを担当。お子様一人ひとりの特性に合わせた遊びの提供や、ご家族への配慮を行いました。
<学生たちの様子>

3. 自閉症疑似体験「ダイエク」スタジアムツアー
支援者側だけでなく、より多くの方に「配慮の必要性」をじぶんごととして捉えていただくため、当日参加したボランティア(社会時・学生)を対象とした体験プログラムも実施しました。
- ダイエク(Diversity Experience): 視覚や聴覚の加工ツールを使い、自閉症の方が感じる「刺激」を擬似体験。
- スタジアム・チェック: 当事者の視点に立ち、スタジアム内の導線における「障壁」を実際に歩いて確認。
学生・社会人ボランティア(計17名)が参加し、「当たり前だと思っていた環境が、誰かにとっては壁になることに気づいた」といった深い学びが共有されました。
<ダイエク体験の様子>

<体験後には感想を共有する時間も設けました>

4. これからの展望
「国立競技場」という日本を代表する場所で、多様な方々と協働できたことは、ADDSにとっても大きな一歩です。ADDSはこれからも、クリアソン新宿様をはじめとするパートナーの皆様と共に、誰もが安心して社会に参加できる仕組みづくりを推進してまいります。
当日ご参加いただいた皆様、そして応援してくださった皆様、本当にありがとうございました!
本件に関するお問い合わせ先
特定非営利活動法人ADDS :高橋 advanced@adds.or.jp



