2026年6月24日〜26日、韓国・ソウルの成均館(ソンギュンガン)大学で開催された国際会議「GELYDA 2026(Global Educational Leadership and Youth Development Association)」にて、ADDS共同代表の竹内が登壇いたしました。
今回の会議で竹内は、ADDSの共同代表としての知見を活かし、自らが代表理事を務める「日本放課後学会(JSCV)」の取り組み、およびNPO法人CFA(Chance For All)様との共同実践研究について発表を行いました。 日本放課後学会公式サイト:https://www.jscv.org/



国際会議「GELYDA 2026」とは?
本カンファレンスは、AIの急速な進歩や社会格差の拡大が進む現代において、人間性や尊厳、そして多様性への敬意や「社会的包摂(ソーシャル・インクルージョン)」を備えた次世代の市民をどのように育むかを模索する、国際的なプラットフォームです。 公式サイト:https://www.2026gelyda.com/
AIとの共生が進む日常のなかで、他者への共感や責任、協働といった市民としての資質は自然に育まれるものではなく、学校や地域コミュニティが一体となって意図的・体系的な教育や経験の場を作っていく必要がある――という強い危機感と共通の責任が、今回の会議の大きな背景にあります。
この「地域社会でいかにインクルーシブな学びと経験の場を豊かにしていくか」という会議の重要テーマに対し、竹内からは日本の放課後児童クラブ(学童保育)の現場における具体的なアプローチを発表いたしました。


発表テーマ
『インクルーシブな「Children’s Verse(子供の世界)」のための研究と実践の架け橋:日本の放課後児童クラブにおけるエビデンスに基づく支援のケーススタディ』
Bridging Research and Practice for an Inclusive “Children’s Verse”: Case Study of Evidence-Based Support in Japanese After-School Care
発表の要旨:放課後の自由な空間をすべての子どもたちに
同学会(JSCV)では、放課後を単なる「学校の後の時間」ではなく、大人の管理から解放され、子どもたちの文化や遊びが主役となる大切なライフステージ「Children’s Verse(子どもの世界)」と定義しています。学会のロゴマークは、かつて日本の空き地にあった、子どもたちの秘密基地の象徴である「土管(Dokan)」をモチーフにしており、「自由な時間・空間・精神」を表しています。

現在、日本の放課後現場(学童保育など)では、発達に多様なニーズを持つ子どもたちが増加している一方、現場のスタッフが専門的な支援スキルの不足に悩むという大きな課題があります。
そこでADDSとNPO法人Chance For All (CFA) 様は協働し、現場の実践と科学(発達心理学や応用行動分析:ABA)をつなぐ共同プロジェクトを実施しました。 参考記事:【オフライン研修会】学童保育事業者Chance For All校舎にて実践研修を開催
劇的な研究成果:子どもたちの落ち着きと、スタッフの「自信」
都内にあるCFA運営の放課後児童クラブにて、現場スタッフ19名と発達に多様なニーズを持つ2名のお子様を対象に、応用行動分析(ABA)と機能的行動アセスメント(FBA)を用いたプログラムを検証しました。スタッフが行動の背景にある「理由」を学び、チーム一丸となって「ストラテジーシート(個別の支援計画)」を作成・実践した結果、以下のような非常に有意義な成果が得られました。
- 子どもの行動改善: 支援開始前は頻発していた危険を伴う行動や、黙って物を取ってしまう行動が、支援計画の実施により劇的に減少し、10週目には0%に。その後のフォローアップ期間でも安定した状態を維持できました。
- 現場スタッフの意識・スキルの向上(統計的有意差あり): 「多様なニーズがある子どもへの関わりへの自信」「エビデンスに基づく支援(ABA)の有効性の実感」「データに基づく記録・評価スキル」の3つのエリアにおいて、スタッフの意識・専門性が有意に向上しました。


今後に向けて
発表の最後には、子どもの特性や障害の有無にかかわらず、すべての子どもが自分の場所で自分らしく輝ける「インクルーシブな社会」の実現に向け、今後も科学と現場の実践の架け橋(Bridge)となり続ける決意を語りました。
韓国の現地参加者の皆様からも多くの関心を寄せていただき、大変有意義な国際交流の機会となりました。
ADDSはこれからも、学術的な知見を社会のインフラへと落とし込み、家族に知見を、社会に仕組みを、みんなに機会を届けるべく、多様なセクターの皆様と手を取り合って邁進してまいります。
今後とも、皆様からの温かいご支援をよろしくお願い申し上げます。



