発達障害は、遺伝子的な要因による脳機能の変化によって生じる特異な行動特徴を示す状態のことです。アメリカ精神医学会出版の国際的な診断分類である「精神疾患の診断・統計マニュアル」の第5版(DSM-5)では「神経発達症群(Neurodevelopmental Disoeders)」というカテゴリーがあり、これがいわゆる発達障害です。発達障害には、自閉スペクトラム症、多動症/注意欠如・多動性障害(ADHD)、限局性学習症(いわゆる学習障害)などが含まれます。はっきりと診断には⾄らないものの何らかの発達的困難があるグレーゾーンも含めると、その数はかなり多く、誰もが出会う障害といえます。
発達障害の原因は、まだ解明されていませんが、複数の遺伝的要因と環境的要因が複雑に影響し合って発症に⾄る先天的な障害であることが分かっています。⽣まれてからの環境や育て⽅が原因でなるものではありません。また、症状の現れ⽅や程度が⼀人ひとり異なるのも特徴で、個々の発達特性に合った環境と関わりが必要となります。現在、最もエビデンスのある支援は、環境を調整して行動に働きかけるものです。
〈参考〉高橋三郎・大野裕監訳
「DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル」
⾳声指⽰を集中して聞くことが苦⼿。
⾒通しがないと不安になる。
刺激への過敏性が強い。
環境を整える。
⼦どもに必要な行動レパートリーを増やす。
⻑くてわかりにくい指⽰。
⾒通しを与えられないまま活動を促される。
⼤きな声や騒がしい状況。
ABAでは、個人の行動を「個人と環境との相互作⽤の結果」としてとらえます。発達障害があるお子さんは様々な刺激の受取り方に特性があるため、日常生活の中にある発達や学びの機会を逸してしまうことがあります。そこでABAの療育では、環境側の刺激を調整することでお子さんの特性に合わせた学びを促します。
出来ない行動や不適切な行動を変えることに重点を置くのではなく、今出来る適切な行動に着目し、そこに働きかけることで、相対的に不適切な行動を減らしていきます。
簡潔な指⽰や分かりやすい教材を使って働きかける。
お子さんが反応できないときや、課題が難しい場合はプロンプト(お助けヒント)を出し、⼿助けする。
お子さんが反応できたら、直後に好む物や活動、褒め⾔葉を提⽰する。
ABAの理論を⽤いてお子さんの困った行動がどのような機能を持っているのか⾒極め、
問題となる行動を減らしたり、もっと適切な別の行動に置き換える支援をします。
⽣活に必要なスキルや毎⽇の決まった活動などを、⽇常の場⾯の中でスモールステップで教えていきます。
発達の過程でお子さんが獲得するとよい基礎的な機能を、集中的・効率的に教えていきます。
模倣や⾔葉の理解、⾔葉やカードを使ったコミュニケーションの練習などを行います。
海外ではスタンダードな早期⽀援モデルとなっている「ABA」ですが、⽇本では、まだ提供できる施設や専⾨家が⾮常に少ないのが現状です。ADDSでは、保護者の方ご⾃⾝がお⼦さんの専⾨家になり、早期発達支援を家庭で実践していけるようサポートします。
「ネットdeぺあすく」は、ABAに基づく、お⼦さんへの関わり⽅を解説したテキストを使いながらweb上の動画を受講するelearning形式のプログラムです。
※ 2歳から小学校低学年ぐらいまでのお⼦様を対象としています。
ネット de ぺあすく不安やお困りごと、お⼦様の発達についてマンツーマンでLINEチャットとZoomビデオ通話で相談できるサービスです。発達⼼理学と応⽤行動分析を⻑年学び実践を積んできたスタッフが、実際のお⼦様とご家族の状況に合わせたアドバイスや伴⾛⽀援を行います。
※ 1歳から12歳(⼩学⽣)までのお⼦様をお持ちの保護者様を対象としています。
些細なことでもお気軽に
お問い合わせください。
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